COVID-19のワクチンを打つかどうか問題:ワクチン忌避

2021年2月に日本でもCOVID-19のワクチン(ファイザー製)が承認され、接種が開始されました。今後複数のワクチンが順次承認される見込みです。医療従事者に続いて高齢者、夏以降には16歳以上の一般市民が接種可能となるようです。

そこで、自分は果たしてCOVID-19ワクチンを接種するだろうか、と逡巡しています。

「ワクチン忌避」という言葉をしばしば目にします。ワクチン忌避とは、簡単に言えば、体力的にワクチンを受けられるにもかかわらず、ワクチン接種を望まないことです。東京医科大学公衆衛生医学分野 町田征己助教らの研究(Vaccines 2021; 9: 210東京医科大学プレスリリース)では、2021年1月に3000人を対象に実施したインターネット調査結果を解析し、日本国内でCOVID-19ワクチンの接種を希望する人は全体の62.1%であったと報告しています。ワクチン接種を希望しない社会的因子として、女性、20~49歳、低所得層が示され、心理的因子としてはワクチンの有効性について理解していることと、自身が予防接種することで他者を守りたいという気持ちがワクチン接種を希望することに関連していることがわかりました。

COVID-19に限らず、ワクチン忌避と疾患リスクの関連性を報告した米国の論文(Baumgaertner B, et al. PLoS Med 17(10): e1003354)では、感染リスクが上昇すると、ワクチン接種を希望する人は3割以上増加し、社会的因子では高所得層、男性、高齢者がワクチン接種に積極的だと述べています。日本も米国もあまり変わりはないようです。

さて、今年の夏に私はワクチンを接種するのでしょうか。正直なところ、現時点ではそれほど積極的に受けようとは思っていません。前述の論文で示された社会的因子「女性、20~49歳、低所得(?)」に当てはまるわけですが、「自身が予防することで他者を守りたい」という気持ちも、子供や同居高齢者の有無によって変わりそうです。あと数か月、有効性と安全性情報も勉強しながら考えたいと思います。皆さんはいかがでしょう?